Theories of Pleiades

技術の話とかイベントに行った話とか思ったこととか

高専に入学して内定をもらうまでを振り返る

注意

  • 当たり前ですが個人差があります。あくまでぼくの場合の話です
  • 人生振り返りポエムです

  • 詳しい経歴はこっちの記事


結論

  • 組み込み系の学科から独学で無事Web系の某社に内定をもらいました
  • 人前でプレゼンができるようになりました
  • マネジメントやコミュニケーションの能力を褒められるようになりました


高専入学前のスペック

高専入学前のぼくのスペックです(2chみたいだな)。

  • 極度のコミュニケーション弱者
    • 同級生に声を掛けられると赤面・吃り
    • 担任ともまともに話ができない
    • 同級生と友達を介して筆談でコミュニケーションしてました
  • ものづくり(広義)は好き
    • 幼稚園の頃から絵を描いていた
    • 中学生の頃はペンタブでデジタル絵を描いていた
    • アニメーション動画を作ったり作曲したり3Dモデリングしたり
    • HTMLとCSSがほんのちょっとできた
  • 勉強は上の下
    • 塾は行ったことがないです
    • 定期テストは450/500点ぐらい
    • 高専入学時点でクラス内20位


高専に入ってから

高専1年生

12月までは普通の「高専生」をしていました。

クラスメイトとカラオケに行ったり居残りで試験勉強をしたり休日はゲーセンに行ったりそういうやつです。

入学1ヶ月で「人前は得意じゃないけど同級生とはそこそこ喋れる」ぐらいになりました。


12月に同級生にコンピュータ部に誘われ,入部しました。

コンフェス(これとかこれを参照)に出す作品づくりのために3Dモデリングとか声優とかキャラデザインとかをしました。

メディアコンテンツ部門3位を取りました。


プログラミング経験は一切無し(授業のみ),授業ではまあ得意な方…ぐらい。


高専2年生

ゲーム作りてえなあと思っていたらTwitterにゲーム専門学校の広告が出てきました。

なんとなく読んだら中にUnreal Engine4というゲームエンジンの話があり,FF7のリメイクに使われているゲーム作成ソフトが無料で使えるということを知りました。スクエニが好きなので入れてみました。


当時の部活には3Dゲームを作る人はひとりもいなかったので,ビジュアルプログラミングしかできないぼくでも「部内で一番派手なゲームを作るやつ」になれました。

デスマーチの末に高専祭のゲーム大会のゲームを作ったり,コンフェスでは初めて人前でプレゼンをして企業賞をもらったりしました。

ちなみにプレゼン中緊張しすぎてマイクを使うことを忘れていて,終わったあとに言われて気付きました。


プログラミングは「コードを書く」ということはしていなくて,Scratchに毛が生えたレベルでした。


高専3年生

部内で一番ゲームが作れる!みたいな気分になってきました。図に乗って後輩に教えるばかりをしていたら自分の作品は何も作れないまま秋になっていまいた。


秋にプロコンを見学に行って,1,2年生が開発に携わって課題部門や自由部門に出ていることに驚きました。

ぼくは「まだ3年生だからプロコンに出れる実力はなくて当然」と思っていましたがそうではありませんでした。

知り合った人がTwitterで難しいプログラミングの話をしているのを見て,自分も中に入れるようになりたいと思いました。


この頃から,Twitterで見かける技術系のブログやQiitaの記事を読むようになりました。読むだけでわかった気になっていました。

学校では1,2年生で1〜5位ぐらいの席次を維持していて,部内でも一番ゲームが作れるやつ,ぐらいの気持ちだったので,「本当はこのすごい高専生たちとぼくの間には大した差はないはずだ」と思っていました。アホ?


この年の7月ぐらいにPythonという言語を知って,入門書を買いました。その中にWebAPIを使ってみようみたいな章があり,Twitterでプログラミングの人の言っている「TwitterAPI」というのが何なのか理解しました。

ちなみにずっと「ついったーあぴ」だと思っていました。


12月ぐらいにようやく「何か作らないと」という気持ちになって,SlackのAPIを使ってbotを作ってみたりしていました。コンフェスに出したゲームはクラスを使って書いてみたりしました。


この頃やっとプログラミング初心者ぐらいになりました。


高専4年生

自由応募でWeb系の企業の長期インターンに行きたい気持ちになりました。

できれば給料も欲しいと思っていて,お前この期に及んでまだ驕ってんのかという感じがあります。今考えると。

Djangoチュートリアルを見ながら初めてのWebアプリを書いてみたり,ポートフォリオサイトを作ってみたりしました。

3社受けて(うち2社はスカウト)全部落ちました。当たり前かな…


インターンに全部落ちてこのとき初めて「あっ自分全然ダメなんだ」というのに気付きました。遅えよバカ。


夏休みはひたすらプログラミングをしたりイベントに行ったりしました。

SECCON for Beginners 広島とか,逆求人フェスティバルとか行きました。

hsm_aiもこのとき作りました。

最近の企業ではRailsを使っているところが多いっぽいということに気付いたので,ProgateでRailsのコースを1週間掛けて修了しました。APIサーバを作ってみました。


プロコンがあったり,高専祭があったりしました。部活はやめたくなりましたがいろいろあって結局残っています。


12月にはサポーターズの1on1に行きました。このときにはプロコンとか高専祭のおかげでアピールできる作品も増えていて,たくさんの企業の人に褒めてもらえました。選考免除もいっぱいもらいました。

ちなみにこの辺でまた慢心が出たりしました。徐々に選考を受け始めました。


面接を受ける中で,「気合を入れて作った作品」やその経験が足りないことに気付き始めました。

特にcombappについては「それGoogleスプレッドシートでいいじゃん」を何度も言われてしまい言い返せなかったので,改良してequipperを作りました。


この頃,宇部市オープンデータアプリコンテストで最優秀賞をもらいました。


気合を入れて作った作品『equipper』と『ゆりかごマップ』でのコンテスト受賞経験が生き,この頃からは面接が割と良い調子で進むようになりました。

というので,現在に至ります。


就活の進め方

就活の進め方ですが,とにかくまず逆求人系のイベントに行くのが良いと思います。

1日で7〜8もの会社とつながりを持てるというのはそうなのですが,自分の長所や短所が見えてきたり,複数の会社を見ていると「この会社は向いていない」「この会社は好きかもしれない」と自分の志向が見えてきます。

実際,ぼくは正直「都内のそこそこのWeb系企業で自分を採ってくれるならどこでも良いや」と思っていましたがそんなこともないかもなーと思い始めました。


その後は見えてきた自分の短所を克服する方向に動きました。

行動力やリーダーシップみたいな部分は褒めてもらえて,足りているというのがわかったので,質問されて上手く返事できなかったところについて返せる話題を作っていきました。


1回目のイベントで十分だった場合はその中で良さそうな企業を選んで受けると良いと思います。

ぼくは1回目では上手く行かなかったので,2回目の逆求人イベントに参加しました。

一度経験してフィードバックを受けているので他の学生より良い受け答えができますし,実際にこのとき会った会社の方からはたくさん特別選考のお誘いをもらいました。多分9社中6社ぐらいからお誘いが来ました。


その後はひたすら選考を受けていきます。選考を受けていくにつれて,n次面接ではどんな話をすればいいかとか,自分に足りない部分がまた見えてきます。

例えば人事の方や現場のエンジニアの方であれば逆求人イベントと同じような感覚で話せば良いとか,現場責任者になると技術的に掘り下げたことを聞かれるので使っている言語の特徴や作ったプロダクトのこだわった部分とかを用意しておくとか,そういう感じです。


ぼくは筆記試験1回,2次面接1回以外は今のところ落ちていないです。どの会社も面接の立ち位置が同じであれば似たような傾向の質問をされることが多いので,落ちてしまったときは練習だったと思うことにすれば問題ありません。前向きに行きましょう(ぼくは割と後ろ向きだったかもしれない)。


特に,会社によって評価の軸はかなり違っていて,即戦力を求めていてがっつり技術力を重視する会社があればコミュニケーション力を見ている会社,リーダーシップのある学生を採用したい会社などまちまちです。

技術という観点を一つ取っても,ひとつの専門分野のある学生を採りたい会社やマルチスタックな学生を採りたい会社など本当にいろいろな会社があります。

相手側の評価したい箇所と自分の推したい箇所が違っていたという場合は絶対にあると思いますし,過度に落胆する必要は無いと思います。自分の良いところを伸ばしてくれそうな会社を探せば良い話なので。


という感じで,場数を積んでいるうちに緊張せず話せるようになり選考の通過率も爆上がりしました。前向いて行きましょう。


結論

組み込み系でもインターン全落ちでも自由応募で就職はできます。


ぼくが高専に入ってから今までの生活で重要だなと思ったことを以下に載せておきます。

  • 自分から情報を掴みに行く
    • TwitterでもQiitaでも本屋でもイベントでも良いです
  • 周りの悪い雰囲気に流されない
    • 「現実を見て諦める」は別にかっこよくないです
  • 行動は早いほど強い
    • 迷ったら今やりましょう(迷う時間がもったいないので)
    • 仮に失敗しても経験になります
  • 身体は大切にする
    • 倒れる前に休め
    • 適度に運動をすると良いです
  • 先輩には教わる
    • 使えるものは使え
      • もちろん調べてわかることは調べる
      • 調べてわからないことは聞く(重要)
    • 困ったときには相談しましょう
  • とにかく手を動かす
    • どんなにつまらないものでも作れば何かを得られます
    • 大きすぎる目標は挫折しがちなので小さいものから

以上です(今思いつくのは)。時間切れとか「今更やってももう遅い」とかはないです。ぼくもWeb書き始めたのは4年になってからだったけどなんとかなりました。


ということで,これから入学する新入生や今の後輩は後悔のないように頑張ってほしいなあと思います。

まだしばらく就活は続きますが頑張っていきます。

#comfes2019 に参加した

TL;dr

  • 中国地区コンピュータフェスティバルに参加しました
  • 今年は宇部高専が主管校
  • 26年目にしてやっと呉高専が参加してくれた!
  • ブース審査2位でしたやった〜


概要

毎年3月に行われる中国地区コンピュータフェスティバルの第26回大会に参加しました。

今年の主管校は宇部高専だったのですが,ほとんどの仕事をコンフェスの実行委員会に任せていたためぼくが特別何か仕事をするということはあまりありませんでした。


毎年中国地区の呉高専を除く7高専が参加していたのですが,今年からはなんと呉高専も参加することになりやっと「中国地区の全高専」と言えるようになりました。嬉しい!


本当はhsm_aiの対話機能を展示したかったのですが,Windows機の挙動が不安定なのと就活で忙しくてコンフェスまで手が回らなかったのとがありhsm_aiのツイート一覧と自作した技術同人誌を展示しました。


ブース審査では作品概要や苦労した点,今後改良するとすればどうするか…のような部分を尋ねられました。

面接慣れもしているのでそこそこ話せたかなとは思っていて,実際審査員の方も「面白い」とか「すごい」とか言ってくれたのでちょっとうれしくなっていました。


去年新設されたアプリケーション部門が今年はとても賑わいを見せており,去年までゲームを作っていた中でも意欲の高い人がアプリケーション部門に戦いの場を移してるなという感じがありました。

全体的にはいつものコンフェスと変わらないなという感じでしたが,やっぱり手の混んだ作品を見るとこちら側のモチベーションも上がるなあという気持ちになりました。


今年は競技部門にも1チーム出場して,プロコンのときに使ったソルバを1年生に託し1年生チームを開発者2人で見守る構図になりました。

例年競技部門はプロコンの競技をなぞるのですが,今年は特に公式ルールが杜撰で不満が相次いだこともあって,プロコンのルールから不評だった「フィールドにチームメンバーを立たせる」とか「トランプでエージェントと通信する」といった部分を排除した改良ルールでの対戦となりました。


途中,競技部門のフィールドの作成ミスが発覚してひと悶着ありましたが,なんとか無事終了したので良かったです。


余談ですが,学生交流会のプレゼンでは文房具の話をしました。スライドを載せておきます。


結果

宇部高専は3冠という結果で終わりました。去年よりはだいぶ少ないけど…………。

内訳は

  • アプリケーション部門ブース審査2位「バーチャルAIツイッタラー hsm_ai」
  • ゲーム部門学生投票2位「サラリーマンが会社に遅刻するおはなし」
  • 競技部門3位「しょうがくにねんせい」

です。


自分の作品がブース審査で2位をいただけた上に,競技部門でも3位に入賞できたので個人的には及第点かなと思っています。

メディアコンテンツ部門で入賞できなかったのが残念ですね。


来年は広島商船で,会場となる広島商船が大崎上島という辺境の島にあるということだったので,大島開催のときのような大きな旅館に全高専の学生がみんなで泊まってわいわいみたいなことができるのを期待しています。


会場の期待は置いておいて,来年のコンフェスが(順当に進級できれば)最後のコンフェスになるので,せっかくなので全部門出展を目指したいなと思っています。

少なくともどこか1つの部門で単独2冠をしたいと思っていて,できれば1位が取りたいです(今まで取れたことがないので)。


宇部高専の運営チームは本当にお疲れ様でした!何もしなくて申し訳なかったです。

また,各高専からはるばる宇部までやってきてくれた参加者の皆さんもありがとうございました!

競技部門参加チームのみなさんは作問ミスでご迷惑をおかけしました。

また来年,広島商船でお会いしましょう!

geohack山口でメンターをしました

TL;dr


経緯

弊学留学担当の教員から突然「3月8,9日で面白そうなバイトがあるんだけど」と紹介を受けました。

ぼく「もしかしてgeohackですか?」

本当は参加者側で行く予定だったのですが,急遽取り止めてスタッフ兼メンターとして参加させていただきました。


ちなみに同じイベントの福井開催には参加者として行ってきていました。そのときの参加記はこちら


やったこと

当日の会場30分前に集合して,机の設置や物資の運搬などをお手伝いしました。

その後は受付役として参加者の出席を取ったりしていました。福井県とか富山県から来てる方もいてビビり散らかした。


講義中は特に仕事がなかったのですが,アイデアワーク終了後ゴミを回収するぐらいのタイミングからめちゃくちゃに忙しくなってきました。ヤバい。

というのも,Elixir(Phoenix)×Vue.jsとかいう初心者向けにしてはやたら激しい(?)ハンズオンが始まったためです。怒涛のエラーメッセージや環境構築の不備でメンターは完全に手一杯になっており,Elixirがわからない上にWindowsが扱えないぼくは完全に泡を吹いて倒れる事態となりました。


2日目は8時間のハッカソンがあり,メンターは参加者からの「これを実現したいけどどうすれば良いの」といった質問にアドバイスをするという仕事が主でした。

初めはElixirわからん〜><を言いながら泣いていましたが人間は学習する生き物で,ハッカソン終了時にはぼくも簡単なCRUD操作のあるAPIを構築するぐらいはできる感じになっていました。

とは言え初心者にMVCフレームワークのなんとやらみたいなのを教えるのも厳しいかなと思ったのでそういった部分は良い解決策をお持ちであろう本業エンジニアのメンターさんにお任せして,私はルーティング処理やデータベース周り,外部APIの使い方やJavaScriptでマップを表示したり…といった部分に専念していました。


ちなみに当日朝,jig.jpの福野さんにIchigoSodaというIoT用のBASICで記述するマイコンの使い方を教わっていたので,その使い方を簡単に参加者の方に教えたりということもしていました。


普段は自分が教わる側なので,がっつり助けを求められて救援に走るというのはかなり貴重な経験でした。ぼくにも教える役が務まるんだ…!と軽く感動もしました。


イベント全体

初心者向けのイベントとは言え,高専生や大学生が多かったので受賞した作品には技術力の高さが目立ちました。

特に「米の美味しさを算出する関数」というのを作り機械学習を組み入れたwebアプリを作っていたチームがあったのにはもう,はい(すごい)としか言えないみたいな状態になっていました。すごい…。


弊部からも1年生がチームで参加していましたが,GoogleMapsAPIを使ってみたりMVCフレームワークについて学んでみたりグラフ系のアルゴリズムを調べてみたり,スクレイピングを試してみたりとかなりたくさんの技術について学んでいるようでした。

正直WebAPIというものを知ったのもスクレイピングを知ったのも高専3年の頃でMVCに至っては高専4年で初めて,という経歴のぼくとしてはお前ら1年生でそれかよ正気か?みたいな気持ちにさせられたりがありました。まだ負けたくないので頑張るぞという感じです。


まとめ

全体的にメンターとして参加できてよかったな!と思いました。

なかなかできる体験ではないですし,教える側でなければ味わえないような体験もあったので。


後輩たちも「頭使ったけど楽しかった」とか割と好意的な感想を言ってくれていたので,先輩としても満足かなという感じです。

スケジュール的にはめちゃくちゃハードな中の参加でしたが,貴重な体験がたくさんできました。あとElixirはパターンマッチが扱えるとちょっと楽しそうかもしれないと思いました(やるかは別として)。


お誘いいただいた先生やHackCampのみなさん,メンター・スタッフのみなさん,参加者のみなさん,ありがとうございました!