Theories of Pleiades

技術の話とかイベントに行った話とか思ったこととか

高専カンファで得たイベント運営の知見の話・前編

Twitterを眺めていると高専カンファやりたいな~みたいな人がちらほらいたので、ぼくが高専カンファレンスin西京の運営を通して得た知見だとかノウハウみたいなものを載せていきます。長くなるので今回は企画~開催までの流れ編ということで。後の世代の参考になれば嬉しいな~

高専カンファレンス自体の開催の流れはWikiに書いてあるのでその辺に書いてないこと、実際に開催して感じたことを主に書いていきます。

開催決定、メンバー集め

西京カンファの場合、Twitter上で有志と「やりたいね~」「やるか~」と話していたらなんか知らんうちに開催が決まってました。

宇部高専で開催することを条件に私が実行委員長を引き受け、宇部高専・徳山高専の共催という形を取ったため、徳山高専側のまとめ役という意味も兼ねて濱田くん(@hamaguchiCtrlZ)に副実行委員長をお願いしました。

https://twitter.com/hamaguchiCtrlZtwitter.com

メンバーは身の回りの興味を持ってくれそうな人に片っ端から声を掛けて集めた。

高専カンファレンス参加経験者が私含め2人しかおらず、高専カンファレンスというイベントの知名度も低かったため、

「他のカンファの運営は少数精鋭だけどうちには精鋭いないし数で押すしかねえ!」

という軽率な気持ちで気付けば20人超の大規模な実行委員会に。これが後々響いてくる。

ちなみに2高専合同の実行委員会だったため顔も名前も知らない人がたくさんいました。これも後々響いてくる。

初顔合わせ

前述の通り顔も名前も知らない人がたくさんいたので、宇部高専にて会場の下見も兼ねて顔合わせミーティングを開催。

ミーティングではまず自己紹介、そのあとピザとかをつまみながら開催概要を検討していきました。 このとき決まったことは「コンフェス後~3月いっぱいのうちの土曜日に開催しよう」ということ、「諸君、狂いたまえ」というテーマ、大体の定員など。

当時は3/31(土)開催、定員111人…という何ともキリの悪い感じの定員で、というのもかなりみんな浮かれていて定員というものが何のためにあるのかを見失っていたわけですね。これは素直に反省です。

たまたま通し番号が111番だったからと言って定員は目標人数じゃない。真面目に考えろ1年前のぼく。 ていうか山口県とかいう辺境に111人集めるの絶対に無理。目を覚ましてくれ。

開催日については学校側の新年度の準備とかの都合があって結局3/17に決まりました。これは確か秋頃に決定になったんじゃなかったかな?

「諸君、狂いたまえ」は開催時にもそこそこ好評をいただいたテーマです。「狂いたまえ」というのが何とも高専生って感じがしませんか?私はします。

実は元々のテーマ草案は「Brand-New」でした。ということもあって広報などではBrand-Newという単語がちらほら見受けられると思います。

これは「山口県内で初めての高専カンファレンス」「高専カンファレンス未経験者が多い中で新しいカタチを提案していきたい」という気持ちがあって私が提案したものだったのですが、「諸君、狂いたまえ」を思いついてしまった私はもうBrand-Newには戻れなかったのであった。

そもそも「高専カンファレンス未経験者ならではの先入観に囚われない新しい高専カンファレンス」というのはとても難しいことで、新しさはたくさんの知識から生まれるんだなあというのも今回考えさせられたことの一つです。

これが終わったタイミングで高専カンファレンスML(GoogleGroups)に開催宣言を出しました。

注意すべきなのは、あくまで開催宣言をして初めて「高専カンファレンス」という名前を使ってイベントをするぞ、という意思表示になるので、開催宣言をするまではあまり大袈裟に宣伝などしない方がいいかな?というところです。 まあこのへんはいろいろ考え方があるとは思いますが…。

ちなみに、Wikiの開催ノウハウページには「小委員会には必ず役員1名を含める」みたいなことが書いてありますが現在はその規則を運用していないとのことで、気にしなくて大丈夫のようです。

学校に企画を通す

これが一番難しかった気がする…。

予算は限られていますし、そもそも田舎すぎてある程度のキャパと設備が確保できるスペースが学校以外に見つからなかった、また宇部高専で開催することで宇部高専生に勉強会の文化を知ってもらうという目的があったため、会場として宇部高専の施設を使わせてもらうよう企画を通しに行きました。

初めはOBのひやかしさん(@nnsnodnb)の紹介でとある先生の研究室へ。 とても忙しい様子で、面白そうだけど協力するには時間が足りない…などと断られた覚えがあります。

次にその先生の紹介で学生会関連の仕事をしていたという先生の研究室へ。 そこでも協力を断られてしまい、結局自分のことをよく知っているコンピュータ部の顧問の先生のところへお願いに行きました。

顧問の先生には快くカンファレンスへの協力を請けていただき本当に有り難い限りでした。

(「いいじゃん、やろうよ」とさらっと言われて若干不安があったなどというのもありましたが…)

その後学生主事のところへ企画を通さなければならないという情報を得て企画書、プロジェクトスケジュールを持ち込みました。

ここからがまた大変で、企画書をどう書いていいのか…だとか、どういった審査を経て企画が通されるのか…とか、そういった情報のない中でひたすら企画書を書いたり捨てたりを繰り返していました。

結局学生主事へ企画書を持っていったのは3,4回で、さらに開催が迫ってきた2月頃に正式な文書として顧問の監修の元企画書を書き直す…などをしました。 学生主事の先生にも本当にお世話になりました…。

当日へ向けての企画

大変でした(これしか言ってないな)。

20人強のメンバーのうち2人は始動から2ヶ月後には脱退、残ったメンバーでもアクティブなメンバーは一握り…という状況に立たされて初めて「数撃ちゃ当たる」理論の脆弱性を感じました。

アクティブなメンバーだけで進めていいものなのか?とか、何もしていないメンバーを「実行委員会」の一員として抱えることに葛藤を抱いてました。 結局このあといろいろ考えて頭がいっぱいになった結果「やり通す自信がないなら脱退してください」と促してしまうなどをして本当に申し訳ない気持ちになりました。

最終的に残ったのが15人程度ですが、それでもまとめるのはやっぱり大変でしたね。 そう考えるとやっぱり運営メンバーは精鋭が7,8人も居れば十分です。

運営の内部構造についてはまた次回以降の記事で書くとして、20人の実行委員の間に情報格差ができたり、意見が分かれたときの決定権をどこに置くかとか、いくら実行委員長だからって最終的な決定権を握っていいのかとか、考えることは多かったです。

結論から言うと、全ての事象について最終決定権は実行委員長にあります

というのが、何か問題が起こった時に責任を取るのが実行委員長の一番の役割なんですよね。 組織を動かすとかも大切なんですけど、実行委員長としての一番の仕事は責任だと思っています。個人的に。

自分が責任を取らないといけないわけなので、最終決定権は当然実行委員長にあります。 メンバーの意見に違和感を感じたらそれはちゃんと主張すべきですし、だって自分が決めたわけでもないことに責任持ちたくないじゃん。

実行委員長は、「自分が決めたから自分が責任を取ります」と言えないとダメです。

…というのに気付いたのが運営始まってだいぶ経ってからだったので、それまでが本当につらかったです。 自分が実行委員長でイベントをするぞ!とかの人は絶対に忘れないようにしてください。大切です。

企画自体に関して言うと、

  • どうやって山口県という辺境の地に足を運んでもらうか
  • 山口県に来てもらったからには楽しんでもらいたい

とかいろいろ考えてましたね。

初めは基調講演を豪華にする~とか言ってたんですが、結局はブース展示とバスの手配、交通費補助でそこそこ良い感じになったんじゃないかなと思ってます。

西京カンファが成功したのは個人スポンサーという形で資金補助をしていただいたひやかしさんの協力があってこそだと思っているので本当にありがとうございました…という気持ちです。

それと、ステッカーを作ろうと動き出したのが遅すぎたなあというのは素直な感想です。 印刷云々については入稿が早ければ早いほど料金も安くなるし配達期間の分も余裕が持てます。用紙サンプルとかも頼めるし、ステッカーとかノベルティの類を作るのであれば2ヶ月前には動き始めて1ヶ月前には入稿したい。

当日準備

この辺はもう「なるようになるわ!!!!!」って感じで自棄になってました。

企画の間はずっとSlackとかハングアウトで作業をしていたので、運営メンバーが実際に近くにいて助けてくれるっていうことには安心感があったのを覚えています。

高専カンファレンスで使われている備品は高専カンファレンス実行委員会という大元の委員会が所有しており、開催の度順々に申し送りという形で貸していただけます。銅鑼とか腕章とか名札とか全部この中に入ってます。本当にありがたいね。

当日は朝の9時頃から順次運営が会場入りして雑談をしながら機材のチェックや会場の設営、送迎バスの添乗、懇親会の買い出しなど各々の仕事をこなしている感じでした。

本会が始まってからはあっと言う間でしたが楽しかったです! あっちこっちから「実行委員長~!」と呼ばれまくってて慌てていて参加しに来てくれた知り合いに「お前今日『ちょっとまってー!!』しか言ってねえな」とか言われたりしましたがまあ無事に終わって、当日の夜はずっと半泣きになりながら「あああああああああああ終わったよおおおおおおお」って言ってました。

まとめ

細かい流れは以上の通りですが、だいたいは

  • 実際に高専カンファレンスを体験してみる
  • 実行委員長は最終決定権を持って、責任を取れるようにする
  • 運営メンバーを肥大化させない
  • 納期のある作業は早め早めにしていく
  • 当日はなんとかなる

って感じです。

今回は全体の流れについてでしたが、また実行委員会の構造の話とか書きたいのでゆっくり書いていこうと思っています。 このエントリが誰かの役に立つことを祈って、おやすみなさい。

※このエントリに書かれている内容は一例であって、必ずしもこうである、こうあらなければならない、などということはありません!あくまでも参考程度にしていただければ嬉しいです。