金欠高専生のための限界旅行の手引き(初級編)
この記事は高専 Advent Calendar 19日目の記事です。
はじめに
みなさん,遠出してますか?
ぼくは毎月1度は遠出しないと心が虚無になってしまう人種です。
ということで,毎月1度は遠出しないと心が虚無になってしまうhsm_hxが限界旅行初心者のために限界旅行の始め方を記したいと思います。この記事誰が嬉しいんでしょうか?
交通費
まず,旅行をする上で一番出費がかさむのはここ,交通費です(ですよね?少なくとも多くの人にとってはそのはず)。
遠出をするぞ!となったときに考えられる交通手段の選択肢は
- バス(昼行,夜行)
- 電車(鈍行,特急など)
- 新幹線
- 飛行機
- フェリー
- 自走(徒歩,自転車,バイク,自動車)
あたりだと思います。
今回は限界旅行なので,如何に交通費を安く抑えるかを考えます。基本的にはお金と時間はトレードオフの関係にあるので,時間は掛かっても良い人向けです。
また,高専生の多くは自走手段を持たないため,自走については省略します。自走が可能なら自走するのが一番強いです。ぼくは自転車がほしいです。
短距離移動の場合
基本的には,短距離ならば昼行バスが一番安い傾向にあります。
例えば,ぼくの住んでいる山口(新山口)から福岡(博多駅)まで行くことを考えます。
存在する交通手段としては
- バス(昼行)
- 電車(鈍行)
- 新幹線
の3つですね。この3つの所要時間と金額を表にするとこうなります。
交通手段 | 所要時間 | 金額 |
---|---|---|
バス | 4時間 | 2000円 |
鈍行 | 3時間 | 2740円 |
新幹線 | 35分 | 5070円 |
まず,新幹線は我々限界学生が乗っていいような乗り物ではないため省きます。
よって検討するのはバスと鈍行になりますが,限界学生なので1時間と740円を天秤にかけて740円を取ります。740円あれば博多でめちゃくちゃ美味しいラーメンを食べてお釣りが来ます。
ちなみに余談ですが,山口から博多への昼行バスは月~木曜日であれば1000円で乗ることができます。
というように,大体どの地域でも昼行バスが存在する場合第一の選択肢となる傾向にあります。
中距離移動の場合
次に,中距離移動の場合は夜行バス,フェリー,鈍行が選択肢として上がります。
例として,山口から大阪(新大阪駅)に行くことを考えます。
存在する交通手段ですが,
- バス(夜行)
- 電車(鈍行)
- フェリー(北九州~大阪)
- 新幹線
- 飛行機
が挙げられます。この4つについて考えていきます。今回はフェリーのようにターミナルまでに別の移動を要する手段が存在するため,表ではなくひとつひとつについて解説していきます。
夜行バスの場合
山口からは湯田温泉~大阪駅の夜行バスが運行しています。片道8000円,11時間強です。
新山口駅と湯田温泉バスターミナル,また大阪駅と新大阪駅は別物ですが,誤差なので不問とします。
鈍行の場合
新山口駅から新大阪まで鈍行だと8.5時間,片道7560円です。
実所要時間は8時間弱なので,乗り換えが上手く行けばもう少し早く着くかもしれません。
フェリーの場合
お隣の北九州市(門司)から大阪南港(フェリーターミナル駅)までフェリーが出ています。
よって,新山口駅から鈍行で1.5時間,1530円で門司へ行きフェリーに乗り換えます。
フェリーで門司から大阪南港までは12.5時間,雑魚寝のエコノミークラスで3980円。安い!
更に大阪南港から新大阪駅までは電車で370円。全旅程合わせても5880円です。
新幹線の場合
新山口から新大阪までは新幹線で2時間,12100円です。
誰かがお金を出してくれるなら早くて良いですが,我々が金欠限界旅行に利用する交通手段ではありません。
飛行機の場合
一般に飛行機と言えば高価な交通手段ですが,最近ではLCCの普及により限界旅行の交通手段の選択肢にも浮上するようになりました。逆に言えば,LCC以外は基本的に我々の選択肢にはありません。
今回の目的地は大阪なので,LCCの就航している関西国際空港から山口に近い空港への発着便を見てみます。
すると,関西国際空港からは松山空港,福岡空港へのLCCの発着があります。ここで,近距離移動のときに紹介した昼行バスを用いると福岡空港へは最安でおよそ1000円,松山空港へは鈍行+フェリーで最安4000円程度のため,福岡空港を利用することを考えます。
関空~福岡間はJetstar,Peachの2つの選択肢があるので,利用する日程によってより安い方を選べば良いですが,最安では3590円から乗れるらしいです。
気をつけるべきなのは,荷物の預け入れや座席の指定をすると追加料金を取られたり,また手数料として500円ぐらい取られた覚えがあります。書いてある値段で買えるというわけではないのが本当に悪いです。
また,関西国際空港から新大阪駅までは決して誤差と言える距離ではありません。最安で1200円掛かります。
以上より,飛行機を利用した場合新山口~新大阪間では6500円程度掛かることになります。
よって,山口~大阪間の移動であればフェリーを利用する経路が最安になります。
もちろん,到着したい時間などによって柔軟に交通手段を検討することは大事ですが,まあフェリーを利用すれば横になって寝れるし早朝に着ける上確か朝食も食べれたはずです。人権なのでフェリーを推したいです。
このように複数の交通手段を検討するとわかる通り,大都市からは小都市,田舎に対して格安の交通手段が出ていることが多いです。
交通費を安く済ませようと思うのであれば,出発地,現在地同士だけでなく,最寄り(金額的な意味で)の大都市同士の交通手段を含めて検討することが大切です。
長距離移動の場合
長距離移動の場合も,中距離移動と同じような交通手段が考えられます。ここでは実例のみを紹介します。
山口~東京間
山口~東京間を移動する場合,直通の飛行機,福岡成田間のLCC,新幹線,夜行バスの選択肢が存在します。
夜行バスが片道8000円程度で最安ではありますが,時期によっては福岡成田間が5000円弱で移動できるため候補になり得ます。
新幹線はもちろん我々が使うには高すぎますし,直通の飛行機も限界旅行には向きません。
山口~仙台間
山口~仙台間を移動する場合,複数の乗り継ぎが考えられます。
高速バスのみを乗り継ぐ場合や飛行機のみを乗り継ぐ場合,飛行機・フェリー・鈍行・バスなど様々な交通手段を乗り継ぐ場合などです。
このような超長距離移動では大体の場合,出発地の近隣の大都市,目的地の近隣の大都市,その中間にある大都市を見て交通手段を考えると良いです。
この例の場合であれば,例えば福岡空港から関西国際空港までLCC,更に関西国際空港から仙台空港までLCCという経路が考えられます。この場合,所要時間は乗り換え含めおよそ1.5日(関西国際空港で1泊野宿),合計金額は12000円弱になります。
また,山口~東京間を夜行バス,東京~仙台間を昼行バスで行く選択もあり,この場合は約18時間,11000円程度になります。
ちなみに,贅沢にも新幹線で移動すると,所要時間は7時間,合計金額は27860円です。
各交通手段について
飛行機全般
飛行機は他の多くの交通手段と違い,毎日便によって値段が変化します。
なので,飛行機を使った旅行を検討する場合は出発を1日早めたり遅らせたりするだけでときによっては1万円以上出費が減る場合があります。1万円あれば1日の食費と宿代が賄えてお釣りが来ます。
飛行機を検討している場合,前後日の便も一度チェックしてから予約することをおすすめします。これは本当に大事で,同じ日程で旅程を組んだときにこのことを考慮するかどうかで出費に万単位の違いが出ます。
LCC
基本的にサービスは良くない傾向にあります。あとどうにかして追加料金を毟り取ろうとしてきます。
…というのはまあ自明なので良くて,Jetstarはとにかくメール配信サービスがダメです。ダメダメです。ぼくは一度「あれ?メール来ないが予約できてないか?」をやらかしたことがあります。
また,何らかの理由で飛行機が欠航になったときの払い戻し手続きが非常に厄介です。
Peachは良かったですが,Jetstarは本当にダメで,「別の日に振り替える」→日付を選択する→その他のオプション→払い戻し…みたいなところに隠されています。本当にダメです。
また,JALやANAのような大手と違って個人都合での払い戻しは予め便のキャンセルや変更を可能にする追加料金を支払っていない限り一切利きません。ぼくはこれで2.3万円を消し飛ばしたことがあります。
夜行バス
相当睡眠に自信がある人でなければ寝れません。出発日はギリギリまで寝ておいて,バスの中では徹夜するのが良いと思います。
また,絶対に3列シートをおすすめします。3列シートは人権です。
(ぼくが乗ったバスでは)各座席を仕切るカーテンは意外としっかりしていて,パソコンの光ぐらいであれば他のお客さんの迷惑になることはないかと思います。
鈍行
夏・冬・春の期間であれば,みんな大好き青春18切符を検討しましょう。5回分で11850円なので,1日2370円でJR乗り放題です。山口~東京間であれば1日で移動できます(確か)。
とは言え相当に体力を消費するらしいのでその面は気を付けると良くて,体力問題さえクリアすれば最安の交通手段になり得ます。
宿泊費
旅行費は交通費と宿泊費から形成されます。というわけで次は宿泊費を節約する方法についてです。
宿泊先としては
- 旅館
- ビジネスホテル
- ドミトリー
- カプセルホテル
- ネットカフェ,カラオケ
- 野宿
あたりがあるかと思いますが,ここでは旅館は除外して紹介します。多くの場合高級なので。
また,ネットカフェやカラオケについては割とドミトリーより高く付くケースが多いので割愛します。
多くの場合,相場は以下の表の通りです。
宿泊先 | 相場 |
---|---|
ビジネスホテル | 5~6千円 |
カプセルホテル | 3千円程度 |
ドミトリー | 2~3千円 |
野宿 | 0円 |
ビジネスホテルについては恐らく自明なので説明は割愛します。
カプセルホテル
多くの人が「安い宿」と聞いて思い浮かべるのはカプセルホテルでしょう。
実際安いですし,金庫が付いていたりロッカーがあったり,場所を選べば本当に綺麗です。
ぼくの推しは9hours系列ですね。綺麗だし設備が整っていて良いです。
ドミトリー
最近はそこそこの都市であればドミトリーが一番安くて人権を得られる寝床です。山口にはありませんが。
主に観光客向けで2段ベッドがたくさん置いてある大部屋に他の宿泊者と泊まる感じです。
実際泊まってみたところ特別相部屋の人とコミュニケーションがあるわけではないですし,むしろ適度に狭いパーソナルスペースが落ち着く感じで良かったです。
共同で使えるキッチンがあったり,バスルームやシャワールームもあります。観光客向けなので,外国人の宿泊客が多かったりする傾向にあるみたいです。
めちゃくちゃに人権が高かったのでおすすめです。
野宿
野宿というと河原にテントを張って寝袋で寝るみたいなイメージがありそうですが,この記事は初級編なのでそんなことを勧めるような真似はしません。ぼくも経験ありません。
ぼくのおすすめ野宿スポットは国際空港です。
国際空港の良いところは24時間飛行機の発着があるため人気があり警備員も常駐しているところ,実際に国際空港で夜を明かす人は多いです。
また空調完備なので一切の準備をせず手ぶらでやってきても寝れますし,そこそこ大きい国際空港であればシャワールームもあります。
問題点としては多くの場合空港は街中から離れた場所にあるため交通費が嵩むことがあり,旅行の目的地付近でドミトリーやカプセルホテルを取るより最寄りの国際空港への往復料金の方が安く付くという場合では検討すると良いでしょう。
ちなみにぼくはマレーシアのクアラルンプール国際空港で一晩を明かしたことがあります。
あとはファミレスやファストフードで夜を明かす選択肢もありますが,治安はどうだか知りません。
パックツアー
さて,ここまで交通手段と宿泊先についてお話してきましたが,この世には交通手段と宿泊先がセットになったパックツアーという商品が存在します。
これは限界旅行には向きませんが,ある程度の人権を求め飛行機や新幹線で旅行する場合はこれを利用すると格段に安く付くことが多いです。
パックツアーの購入先としては,楽天トラベルやヤフートラベル,各航空会社のダイナミックパッケージなどがあります。
パックツアーは事前に各会社が飛行機や新幹線の座席,ホテルの部屋を押さえた上でセットにして売り出すため,料金は格安に設定されています。
特に直前になって旅行の予定ができた(飛行機の早割が効かない)などの場合におすすめです。
ツアーとか言ってますが日中は全部自由行動だし別に係の人に旗で誘導されて~みたいな面倒な集団行動がついてくることはありません。
これを使うと,往復の飛行機代+1000円程度で航空券と宿を生やすことができます。
というわけで,金欠旅行好き高専生による限界旅行のすすめでした。
ぜひみなさんもギリギリまで金を切り崩して各地に旅行するやつをしてください。旅行はいいぞ。
この記事は高専 Advent Calendar19日目の記事でした。